町田の観光の情報発信基地・町田市観光コンベンション協会

□展覧会紹介
子どもたちに数多くのエンタテインメント作品を届け続けている作家・山中恒(1931-)。山中さんは、本を手に入れることが難しかった戦時下に幼少期を過ごしました。友だちの家をめぐり歩いて軍事冒険物語や怪奇・探偵小説といった大衆的児童読物に読みふけり、さらには大人向けの時代小説や恋愛小説に手を出すほど物語に夢中になりました。
戦後、たまたま手に取った宮沢賢治の童話に感動して、自らも子どもの本の作家になることを志し、1950年に早大童話会に入会するため早稲田大学に入学。そこで出会った鳥越信、吉田足日、神宮輝夫らとともに転換期の日本児童文学を牽引しますが、次第に訓育主義的な傾向になる児童文学に異議を唱え、独自の道を歩み始めます。
山中さんは児童文学者ではなく「児童読物作家」を自称し、常に目の前の子どもを見つめ、流行を積極的に取り入れながら、その時代を生きる子どものありのままの感情や言動を軽快に描いています。『ぼくがぼくであること』(1969年)、『あばれはっちゃく』(1977年)、『おれがあいつであいつがおれで』(1980年)などの娯楽性の高い作品は読者から絶大な支持を得、映画やテレビドラマなど映像化されたものも多く、幅広い年代に親しまれています。近年では、旧作に手を加えた新装版が出版され、その物語が持つ普遍的なおもしろさに改めて注目が集まっています。また、町田市で過ごした頃に執筆した、戦時下での体験をまとめたノンフィクション「ボクラ少国民」シリーズ(1974-1981年)や、戦時教育・戦時児童文学の研究も高い評価を受けています。
本展では、創作活動の原点から偏在までをたどりながら、魅力あふれる作品の数々をご紹介します。物語を通して子どもたちと対話を続けてきた山中さんの、子どもたちへの願いを感じていただければと思います。

□会期：2016年1月16日(土)〜3月21日(月)
□休館日：毎週月曜日(3/21を除く)、2月12日(金)、3月10日(木)
□観覧時間：10時〜17時
□観覧料：無料
□協力：市立小樽文学館、偕成社、KADOKAWA、小学館、P.S.C
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□関連イベント
１．野上暁講演会「山中恒作品の魅力−子どもに人気の理由を探る」
講師：野上暁(児童文学評論家)
日時：2月6日(土)午後2時〜3時30分
会場：町田市民文学館2階大会議室
定員：80名(申込順)
申込：1月11日(月)から町田市イベントダイヤルで受付。電話：042-724-5656

２．局田奈都子朗読会「耳で楽しむ山中恒の世界」
日時：2月20日(土)午後3時〜4時
会場：町田市民文学館2階大会議室
定員：60名(先着順)
申込：不要(直接会場にお越し下さい)

３．映画「あの、夏の日−とんでろじいちゃん」トークショー＆上映会
日時：2月27日(土)午後1時〜3時30分
会場：町田市民フォーラム3階ホール
定員：180名(応募者多数の場合は抽選)
申込：往復はがきに氏名、年代、住所、電話番号を明記し、2月6日(土)必着で町田市民文学館「山中恒展　映画上映会」係まで。グループで申込の場合は、全員分を明記してください。

４．山中恒講演会「子どもの本のねがい−児童読物作家として」
日時：3月6日(日)午後2時〜3時30分
会場：町田市民文学館2階大会議室
定員：80名(申込順)
申込：2月1日(月)正午から町田市イベントダイヤルで受付。電話：042-724-5656

５．ギャラリートーク
日時：1月26日(火)、2月14日(日)、3月8日(火)、3月21日(月)、いずれも午後2時〜2時40分
申込：不要(直接、2階展示室にお越し下さい)